間もなく一般公開される山手門


写真は山手櫓門越しに見る甲府城祉稲荷櫓です
この山手門は本来ならば3月31日の引渡しなのだがNHK大河ドラマの関係で公開が月中にも予定されている。すでに石垣も本体もほとんど出来上がり、後は周囲の整備と一部取り付けが終わっていない柵などを残すばかりとなっている。実に壮大な構えで、近くに寄らずとも見ごたえのある舞鶴城の入り口にふさわしい素晴らしい門として、その威容を跨線橋の上からも見る事が出来ている。

しかしこの山手門に対して二つの意見が出ていることはご存知だろうか。一つは「実に素晴らしい、良くぞ整備をしていただいた」というもので、もう一つは「こんなものにお金をかけて非常識だ、もっと他に使う道は無かったのか」というものである。実際総工費12億円というこの門は、単なる門であり本体ではない事がその議論を呼んでいるのだろう、同時に説明の下手さがこれに拍車をかけている気がしてならない。

つまり、この土地の取得については地下に今回の城壁にも使われている石垣があって、地上に建物を造ることがほとんど出来ない土地であったということは説明がされていない。もう一点はこの復元工事は、出土した石垣の上に新たに石を積み、忠実に再現した門をその上に載せたということ。つまり400年前の城壁復元工事であり、決して新たに建造したものではなかったということが説明不足になっているという点である。それがゆえにお金の無駄遣いという批判が出てしまっている事は実に情けない、「12億もかけて復元したという自負心」が説明者から漂ってしまうと、「もったいない」という反発が出てしまうものなのである。

それにしてももう少し周辺の道路などが整備され、散策できる状態にまでなって来ると、この場所は市民の憩いの場所となる。同時に400年前の遺跡を復元したということは、400年後の市民に誇れる事なのだと言う説明をする事で、この建物の価値が一層高まる事となり得るのだが。
多くの反対意見については、納得していただくにはもう少し時間がかかる気がしている。