ちょっといい話じゃないですか

2010年に完成が予定されている甲府駅北口の多目的広場に、現在は武田神社境内にある明治時代の擬洋風建築を伝える国の重要文化財藤村記念館」が移転するのに合わせて、全国の歴史的建造物を保存している愛知県犬山市の博物館「明治村」が25年間にわたって刊行した月刊誌「明治村通信」全300巻が、甲府市に寄贈されることになりました。
この会報は藤村記念館や、明治村に保存されている旧東山梨郡役場など県内ゆかりの建築物も紹介されており、所有するSさん(この方は建築家で、ブログでも活躍されています)から「多くの人に見てもらいたい」と貴重なコレクションの提供を申し出て頂きました。

山梨学院大名誉教授の保坂忠信氏(故人)が、「擬洋風建築」(イギリスからやってきたアーネスト・サトウと言う公使も「この街は人口当たりおそらく日本で一番西洋風模倣建築の多い街」と言う言葉をその日記に残していますね)を奨励した県令・藤村紫朗の功績を紹介している他、現在の山梨市にあった擬洋風建築の旧東山梨郡役場が写真付きで特集されたりしています。
そもそもこの通信は1970年1月から、村に保存されている建物を紹介するため、定期購読者向けに創刊されたものだそうで、以後1995年8月まで通算300号を発行していたそうです。
今回はそのすべてを寄贈して頂ける事になったと言う事で、明治時代の建築のみならず文化や風俗、芸術など幅広い内容の研究を専門家が紹介する記事が掲載されています。


建物の移築や復元だけでなく、名実共に甲府駅北口が歴史の交差点として甦るのにふさわしいプレゼントですね。最初に私に相談があったとき、個人的に即決で決めてしまいましたが、甲府市教育委員会がきちんとした形で保管展示して下さると言う事で、当然という気持ちと若干ですがほっとした気持ちになりました。
Sさん、ありがとうございます。



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