甲府地区消防本部の搬送ミス処分

本年3月7日に発生した救急出動で、甲府市南西部に住む男性を搬送した際、隊員同士の連絡の不徹底で、山梨大付属病院に向かうところを県立中央病院に誤って運び、病院到着が10分余り遅れた事件で、昭和隊の隊長は「戒告」、敷島隊の隊長は「訓戒」、同機関員も「訓戒」と言う処分があったという記事が新聞に載っていた。
掲載された新聞は5月8日土曜日の地元紙であったが、一日前の金曜日に私は議会事務局で消防本部でこの不祥事の処遇についてどうなっているのか聞いておいてほしいと言ったばかりであった。

そこで消防本部に問い合わせ、この件についての流れを問いただしてみることとした。
結果として
1-4月1日付で山梨県メディカルコントロール協会の専門部会より「搬送ミスが死亡につながるものではない」という外部評価を受けていた。
2-本部内での体制整備については
ア携帯電話(職員に全員所持させ、これで本部との連絡を取っている。当日患者処置を行っている間、救急車の中へ置いたままにしてあったので、約12分間連絡が取れなかった)を必ず携行する。
イ早期搬送
ウ相互に確認(山梨医大附属病院へ行ってほしいと患者家族から要請があったにもかかわらず、処置中で相互確認を行わなかったため、山梨県立中央病院へ搬送してしまった。結果到着したところで気が付き、医大へ搬送しなおした)


しかし新聞では1についてのことは全く書かれていなかった、ちなみに以下にその記事を添付する。


山梨日日新聞から、2009年05月09日(土)
救急隊長らを処分 甲府消防本部 
病院搬送ミス、男性死亡問題 
引用開始
 甲府地区消防本部の西消防署敷島出張所救急隊が男性患者(60)の搬送先病院を間違え、その後男性が死亡した問題で、同消防本部は8日、同出張所救急隊長の男性消防司令補(43)と運転士の男性消防副士長(26)=いずれも当時=を消防長による訓戒処分とした。また、南消防署昭和出張所救急隊長の男性消防司令補(44)=当時=を戒告の懲戒処分、上司6人に管理監督責任を問い、消防長注意処分にした。
 同消防本部によると、敷島隊の2人は3月7日夜、甲府市南西部に住む男性を搬送した際、隊員同士の連絡の不徹底で、山梨大付属病院(中央市)に向かうところを県立中央病院(甲府市)に誤って運び、病院到着が10分余り遅れた。昭和隊の隊長は敷島隊より先に到着していたが、無線を救急車内に忘れたまま男性宅で救急処置をしていて、指令課からの連絡を13分間、受けられなかった。
 指令課は昭和隊に「敷島隊の到着を待たずに、昭和隊が直接病院に搬送するように」などと指示していた。同消防本部は「救命率向上の観点から重要な指示だったが、通常通り交信ができずに現場が混乱した」として、昭和隊の隊長を敷島隊よりも重い懲戒処分とした。
 南消防署の金丸俊明署長は「消防本部全体の信用を著しく失墜する不祥事で、誠に遺憾。全員が姿勢を正して職務に専念する」と話した。
引用終わり


私としてはこの消防本部を管轄する甲府地区広域行政組合議員として、このような事故に対しての市民への告知に対する感覚がずれているのではないか、つまり広域と言う枠の中で責任の所在が薄れてしまっているのではないかと言うことを危惧している。3月で退官した消防長が議会の席で議員にこの事件をわび、「外部調査、内部調査を行う」と言っていたから、いつになったらその結果が出てくるのだろうかと思っていた。しかし消防本部は7月の定例議会で報告すると言うつもりであったようだから恐れ入ってしまう。例えば今回でも4月1日に山梨県メディカルコントロール協会の専門部会からの検証結果が出ているのに、処分を決定した諮問会は5月1日に開催されている。この1カ月と言う時間はずいぶんと長いものである。


公は市民に対して説明責任がある。同時に議員はそれらを監視する役割を持つ
これが当然の姿ではないだろうか。



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