バイオ燃料は正しい使い方ではない

最近の時事通信の記事が興味深い記事を続けて流している。
はじめの記事は、農産物価格の高騰の一因となったバイオ燃料奨励策は間違っていたというものである。
その中で、現在の商品相場の高騰の背景には、投資資産としての商品への関心が高まったことも大きいと指摘。ただ、農産物に関して言えば、トウモロコシを原料とするバイオ燃料はエネルギー供給の小さな部分しか賄えず、「(米議会が)バイオ燃料の利用拡大を奨励したことが間違いだったと思っている」と明言した。 

もうひとつの記事は、石油輸出国機構(OPEC)に加盟するカタールのアティーヤ石油相は20日、ローマでの記者会見で、「(自動車に)乗るべきか、食べるべきか。世界は大きな問題に直面している」として、バイオ燃料への批判を展開。一方、ブラウン英首相も22日に「食糧と環境に与える影響を見極める必要がある」と述べ、欧州連合(EU)が推進するバイオ燃料の使用拡大政策は、見直しが必要だとの考えを示した。

という2つの記事である。
特にカタールのアティーヤ石油相の言葉は実に興味深いものがあり、結局弱者はいつになっても弱者のままだと言わんばかりである。
そうした中で石油原料で食べ物も出来ているのだから、問題はややこしくなるばかりだ。


しかし以前にも書いたのだが、日本のバイオに対する取り組みは称賛に値する物がある。
日本的スタイルのバイオマスはこれからもどしどし推進していってほしいと考えるのだが、経済ベースになっているかというとこれまた難しい。
しかも放棄された耕作地は自然に返り再び耕作するには随分と時間がかかってしまうのだが、ほとんどの放棄地は急峻な地域や複雑な地形などで機械化ができない土地が多いのも難しくしている現実なのだ。


米の減反政策の問題も絡んでくるのだが、「作らないでおくとお金がもらえる」という間違った補助金制度のおかげで国民が怠惰な性格になってしまうことを恐れてもいる。
ここでは何でもよいから作ったものに対して補助金を出し、それで農地を守りつつバイオマスに挑戦してゆくというほうが自然の流れではないか。
この辺りの不条理をぜひ政治の力で解決してほしいと願っているのが善良なる静かな国民ではないのかな。


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