華光院の行者と稚児の修行

nonaka122010-04-12

甲府市元紺屋町にある華光院では毎年第2日曜日に行われている「柴燈護摩・火渡りの秘法」と言うのがあり、今年初めて私も行くことが出来ました。

この寺は大永年間(1521年〜28年)に、武田信虎公が紀州根来山より弘尊法印を招請し、本尊に三宝荒神を勧請し荒神山(現在は仏舎利塔がある場所)へ荒神堂を建立したことが始まりとされている寺院です。県内では珍しく真言宗の寺院で、御真言をオン ケバヤ ケンバヤ ソワカと言います。


余談ですがこの「三宝荒神」(さんぽうこうじん)様は非常に気性の荒い神様として有名で、たたりやすい神様として恐れられてもいます。しかし、仏法僧の三宝を守護し、紛争を鎮めると言われている事から「火の神」「かまどの神」として崇められ、家庭の台所にはこの神様の御札が張られています。一説によると本体は文殊菩薩であると言われ、心いらだつときは荒神となり、心静かなる時は如来になると言われてもいます。


さて、この火渡りの秘法はめったに本物を見ることが出来ない物ですが、ここでは毎年見ることが出来ます。
善男善女や稚児たちが、それぞれの思いを書いた護摩木をヒバの葉で囲い火をつけた中に投げ入れ、「熾き」状態になるまで燃やしたところを歩いてわたるのです。


修験僧がほら貝をならしながら進み、その後を盛装の稚児たちが「散華」と呼ばれる木の葉の形をした肌身守りを回りの方に配ります。本堂を出て境内を一周し、結界の中に入って行き、四方に「破魔矢」を射って清めた後は真剣と大きな斧で清め払いの儀式を行い、火をつけるという一連の古式豊かで荘厳な儀式が続いてゆきました。この「破魔矢」を拾った方は1年間お守りとして家の神棚に上げておくことが出来るのだそうで、大勢がその矢の方向に走ってゆき、取り合っていました。


子供たちは火渡りに泣きべそかきながらも挑戦していました。


見ていてとても勇壮な、しかもありがたい感じが伝わってくるお祭りでした。


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